Excelで力学の予想する軌道を図示す
少し前のバージョンの方が表中の文字が似やすいので、画面はExcel2013ですが、最新のものでも表中の入力は同じです。
運動方程式が予測する物体の移動を計算して図示してみよう。
物体を投げ上げるときの物体の位置と時間の関係
物体を投げ上げるときの運動方程式は、横方向(x方向)は、x方向の初速度をv
x0、xの初期位置をx
0とすると
一方、縦方向(y方向)は、重力加速度をg=9.8m/s/s、y方向の初速度をv
y0、yの初期位置をy
0とすると、
で与えられる。ここでtは時間である。またyは上向きを正とした。この結果、重力に引かれる方向は負の向きとなるため、第一項にマイナスがついている。
もし、初速度が速度の絶対値vと角度θで与えられているならば
となる。
準備
まず、Excelを開いて、表の上のところ見てみよう。
A B Cではなく1 2 3になっている場合は、
こちらを見て
A B Cに直す。(新しいタブで開きます)
さて、以下ではExcelで数式(関数)を使うが、a
b(aのb乗)は、Excelではa^bと書くルールである。(^はキーボードの右上、ひらがなの”へ”のキーである。)
×(かける)は*を使う。
Excelによる表の作成(時間を入れる)
x
0=5m、y
0=8m、v
x0=4m/s、v
y0=6m/sで投げ上げた物体はどのような軌跡を描くか?
という問題をExcelで解いてみます。
まず、時間t、x方向の位置、y方向の位置の欄を作る。
まず、時間の欄に0を入れます。
次に、時間のステップを入れる。これは細かければ細かいほどいいのですが、何が正解とは言えない。解くべき問題によるのだが、とりあえず0.1としましょう。
0.1秒ごとの位置を計算するわけです。
0と0.1まで入力したら、両方のセルを選択して、右下の黒い四角形をつかんで適当なところまで下げます。
これも、どこまで下げればいいかは解く問題によりますが、とりあえず25段ぐらい下げました。
そうすると、0.1刻みで時間のデータが入力されます。
Excelによる表の作成2(x方向の位置)
次に、x方向のの位置を入れましょう。x方向の位置は時間の関数として
で与えられます。
x
0=5m、v
x0=4m/sだったので、C3のセルに、
=4*b3+5 と打って、
(
b3というのはt=0が書いてあるセルの位置です。つまりt=0におけるx方向位置4*0+5を計算しているわけです。)
Enterを押します。
もう一度5と書いてあるセルを選択して、右下の四角をつかんで下げて、各時間でのxの位置を求めます。
Excelによる表の作成3(y方向の位置)
次にy位置も計算しましょう。
y方向の位置は時間の関数として
で与えられます。
v
y=6m/s、y
0=8m、だったので、まずD3のセルに
=-0.5*9.8*b3^2+6*b3+8 と打って
(これがt=0におけるy方向位置です。)
Enterを押します。
右下の四角をつかんで下げます。
グラフ化
表が出来たので、これをグラフにしてみます。
下図の領域を選択して
挿入→散布図をクリック
散布図で、滑らかな曲線でつなぐものを選びます。
グラフが出来ます。
グラフの装飾
デザインタブを開きます。
(グラフが選択状態になっていないと、レイアウトタブがありません)
グラフ要素の追加の軸ラベルで軸の説明を入れます。まず、横軸の説明を入れます。
「軸ラベル」という文字を消して、正しい軸ラベルをうちます。
同様にして、縦軸の説明も入れます。
これだと、yが負(物体が地面にめり込んでいる)になっているので直します。
左の軸の数字の上で右クリックメニューを出し、
軸の書式設定を選びます。
最小値を0にします。
グラフの最小値が0になります。
グラフタイトルを打ち直します。
グラフ修正の基本
- 画面に表示されていないものは、デザインタブのグラフ要素の追加から探す(簡単なものはグラフの横の+マークからでも追加できる)
- すでに表示されているものを修正する場合は、修正したいところの上で右クリックメニューを開き、「○○の書式設定」というものを選ぶ。出てきたメニューの中からやりたいものを探す。
- 画面に表示されているものを消す場合は、消したいところの上で右クリックメニューを開き、「削除」を選択する
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