コンピュータは偶然壊れてしまったり、自分の過失で壊れてしまうこともありますが、悪意をもった何者かによって自分のコンピュータが壊されてしまうこともあります。あるいは知らない間に自分が加害者になり、コンピュータは壊されずとも、自分の生活が破壊されてしまうということもあります。
自分と自分のコンピュータを守る方法を知っておきましょう。
HOAXとはデマのことです。
たとえば、こんなメールが送られてきます。
緊急!
あなたのコンピュータには ***.exe(実際は具体的な名前)というファイルがありませんか?
もしあればそれはウイルスのファイルなのでただちに削除してください。
このメールをできるだけ多くの人に転送して、教えてあげてください
ところが、実際は***.exeはウイルスではなく、Windowsの重要なファイルなのです。だまされてそれを削除してしまうと、Windowsが立ち上がらなくなったり、不具合を起こしてしまいます。
なんだか馬鹿みたいな方法であるが、けっこう引っかかる人がいます。気を付けましょう。
コンピュータウイルスとは
コンピュータウイルス(以下簡単に「ウイルス」と書きます)とは、通商産業省告示によると
コンピュータウイルス(以下「ウイルス」とする。)
第三者のプログラムやデータべースに対して意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラムであり、 次の機能を1つ以上有するもの。
- 自己伝染機能
自らの機能によって他のプログラムに自らをコピーし又はシステム機能を利用して自らを他のシステムにコピーすることにより、 他のシステムに伝染する機能
- 潜伏機能
発病するための特定時刻、一定時間、処理回数等の条件を記憶させて、発病するまで症状を出さない機能
- 発病機能
プログラム、データ等のファイルの破壊を行ったり、設計者の意図しない動作をする等の機能
とあります。
しかし最近では、これに当てはまらずとも、パソコン利用者の意志に関わらず不利益をもたらす「不正なプログラム」全般を(広義の)ウイルスとよぶことも多いようです。
また、悪意のある不正なプログラムは
マルウェア(Malware)とよばれることもあります。
単体で存在するものを
ワーム、有用なアプリケーションの中に潜んでいるものを
トロイの木馬とよびます。
また特にトロイの木馬タイプのもので破壊を目的とせず情報を集めて特定のサイトに送るようなものを
スパイウェアとよんだりします。
コンピュータウイルスの活動は多彩ですが、主なものとして
- 自分の能力を誇示したい愉快犯的なもの
- コンピュータのOS部分を破壊したり、重要なファイルを消したり、ハードディスクをフォーマットするなど、PCが立ち上がらないようにしてしまうもの
- PCに記録されているデータやパスワード情報などを抜き出し、どこかに送信するもの
- バックドアを開け、不正な侵入を助けるもの
- メールの不正な送信を助けるもの
- Dos攻撃を仕掛けるもの
- 感染をわざと知らせて、「取ってほしければ、このソフトウェアを買え」という詐欺まがいのもの
- ファイルにパスワードをかけて、「パスワードを知りたければ金を出せ」というもの
などがあります。PCを破壊するようなものは、感染すると被害は重大ですが感染にはすぐに気が付つきます。しかし中には感染していることに気が付きにくいウイルスもあります。
コンピュータウイルスの感染経路は
- メールの添付ファイルについて送られてくるもの
- ネットからダウンロードしたファイルについているもの
- Webページに特殊な方法で組み込まれ、Webページを閲覧しただけで感染するもの
- OSの欠陥をついて侵入してくるもの
- USBメモリを通して感染するもの
などがあります。
コンピュータウイルスに感染しない絶対的な方法は存在しません。
感染の確率を下げることはできます。それでも感染してしまった場合は、ウイルス対策ソフトに頼ることになります。
またウイルスに感染してデータやPCが破壊されても大丈夫なように、大切なファイルはバックアップをとっておくようにしましょう。
ウイルスは必ずしも自分のコンピュータのファイルを破壊するとは限りません。
ほかのコンピュータを攻撃するために自分のコンピュータが利用されてしまうことがあります。
直接攻撃を行うとばれてしまう可能性があるため、無関係なコンピュータにウイルスを感染させて、それに攻撃をさせるわけです。
このようにどこかを攻撃するために使われるコンピュータを
踏み台といい、攻撃のために使われてしまうことを
踏み台にされるといいます。
これに関連して、
DDoS攻撃(ディードス攻撃)というものがあります。
たとえばどこかのサーバが出している情報が気に入らない犯人が、あらかじめ複数のコンピュータにウイルスを仕掛けます。
このウイルスは時間が来るまで潜んでいるが、決められた時間が来ると一斉に攻撃対象のサーバにアクセスを開始します。
短時間に大量のアクセスが集中したサーバは処理が追いつかなくなってダウンしてしまうという攻撃を行うものです。
このように、ウイルスによっては自分が加害者になってしまうこともあるので気を付けましょう。
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