ネットワークセキュリティ(p.47)

いろいろな危険

コンピュータは偶然壊れてしまったり、自分の過失で壊れてしまうこともありますが、悪意をもった何者かによって自分のコンピュータが壊されてしまうこともあります。あるいは知らない間に自分が加害者になり、コンピュータは壊されずとも、自分の生活が破壊されてしまうということもあります。
自分と自分のコンピュータを守る方法を知っておきましょう。

HOAX(ホークス)

HOAXとはデマのことです。
たとえば、こんなメールが送られてきます。

緊急!

あなたのコンピュータには ***.exe(実際は具体的な名前)というファイルがありませんか? 
もしあればそれはウイルスのファイルなのでただちに削除してください。
このメールをできるだけ多くの人に転送して、教えてあげてください


ところが、実際は***.exeはウイルスではなく、Windowsの重要なファイルなのです。だまされてそれを削除してしまうと、Windowsが立ち上がらなくなったり、不具合を起こしてしまいます。

なんだか馬鹿みたいな方法であるが、けっこう引っかかる人がいます。気を付けましょう。

コンピュータウイルス

コンピュータウイルスとは

コンピュータウイルス(以下簡単に「ウイルス」と書きます)とは、通商産業省告示によると

コンピュータウイルス(以下「ウイルス」とする。)

第三者のプログラムやデータべースに対して意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラムであり、 次の機能を1つ以上有するもの。
とあります。

しかし最近では、これに当てはまらずとも、パソコン利用者の意志に関わらず不利益をもたらす「不正なプログラム」全般を(広義の)ウイルスとよぶことも多いようです。
また、悪意のある不正なプログラムはマルウェア(Malware)とよばれることもあります。
単体で存在するものをワーム、有用なアプリケーションの中に潜んでいるものをトロイの木馬とよびます。
また特にトロイの木馬タイプのもので破壊を目的とせず情報を集めて特定のサイトに送るようなものをスパイウェアとよんだりします。

コンピュータウイルスの活動は多彩ですが、主なものとして などがあります。PCを破壊するようなものは、感染すると被害は重大ですが感染にはすぐに気が付つきます。しかし中には感染していることに気が付きにくいウイルスもあります。

コンピュータウイルスの感染経路は などがあります。

コンピュータウイルスに感染しない絶対的な方法は存在しません。
感染の確率を下げることはできます。それでも感染してしまった場合は、ウイルス対策ソフトに頼ることになります。
またウイルスに感染してデータやPCが破壊されても大丈夫なように、大切なファイルはバックアップをとっておくようにしましょう。

ウイルスは必ずしも自分のコンピュータのファイルを破壊するとは限りません。
ほかのコンピュータを攻撃するために自分のコンピュータが利用されてしまうことがあります。
直接攻撃を行うとばれてしまう可能性があるため、無関係なコンピュータにウイルスを感染させて、それに攻撃をさせるわけです。
このようにどこかを攻撃するために使われるコンピュータを踏み台といい、攻撃のために使われてしまうことを踏み台にされるといいます。



これに関連して、DDoS攻撃(ディードス攻撃)というものがあります。
たとえばどこかのサーバが出している情報が気に入らない犯人が、あらかじめ複数のコンピュータにウイルスを仕掛けます。
このウイルスは時間が来るまで潜んでいるが、決められた時間が来ると一斉に攻撃対象のサーバにアクセスを開始します。
短時間に大量のアクセスが集中したサーバは処理が追いつかなくなってダウンしてしまうという攻撃を行うものです。

このように、ウイルスによっては自分が加害者になってしまうこともあるので気を付けましょう。

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