ネットの情報の利用(P.79)

検索サイト

必要な情報を取得するには、まずその情報を公開しているサイトを探さなければいけません。そのときに使うのが検索サイトです。
有名なものに、
  1. Google
  2. Yahoo
  3. Bing
などがあります。使い方はどれも共通で、検索キーワードを入力すればそのキーワードを含むサイトを表示します。
しかし一般的なキーワード、「野球」とか「宇宙」などでは何百万件もヒットしてしまうので、なかなか欲しい情報にたどり着けません。
そういうときは「野球 野手 記録」とか「宇宙 大きさ 観測」というようにいくつかのキーワードを入れることで結果を絞ることができます。
したがって、いかにいいキーワードを入れるかが欲しい情報にたどり着くための鍵となります。

Wikipedia

Wikipediaはインターネットの百科事典です。
基本的には誰でも項目を立てて、また内容を書き換えたり書き足したりできるため、登録されている情報は多彩でかつ最新の情報にも対応しています。

しかし必ずしも専門家が書いているわけではないので、でたらめということはなくても
  1. いろいろな見方があるものに対して、一面的な見方しか書かれていない
  2. 地域や職業分野によって意味が少し違う言葉で、筆者の周囲の使い方しか書かれていない
というようなことがときどきあります。 特に現在進行中の事件で評価がまだ定まっていないようなものについては

というような注釈がついていることがあります。
こういうものは内容がすぐに書き変わったり、書き足されたりするので、引用する場合は注意が必要です。

明らかに間違ったことが書いてある例として、たとえば「平均」の項目があります(「平均」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』、 http://ja.wikipedia.org/wiki/平均、2012年1月28日20時(日本時間)現在での最新版を取得。)。
2011年1月28日の時点で以下のように書かれています。



上の式の両辺をn倍すれば

であって、下の式にならない。

こういう基本的なところですらこのような間違いがあるので、Wikipediaだけを信用するのではなく、必ず他のサイトや本と比べて間違いがないか調べたうえで使うようにしましょう

ただ何かを調べるときに、まったくわからず、どういうキーワード入れていいかもわからないときは、まずWikipediaを読んで概要をつかみ、さらに深めていくという使い方はいいでしょう。
どんなサイトでも"これさえ読めばあとは何も見る必要はない"という便利なサイトはありません。
複数のサイトや本を常にチェックするようにしましょう。

ChatGPT(チャットジーピーティー)

ChatGPTは最近話題になっているAI(人工知能)を利用したサイトです。
Transformer(トランスフォーマー)という断片的な文章を滑らかにつなぐ技術で、ネット上のいろいろな情報をつないで、人間が書いた文章のような回答を出します。
話題になっているのはOpenAI社のシステムですが、MicrosoftのBingChat、GoogleのBardという同様のシステムも公開されています。



入力欄に質問や作って欲しい文章のリクエストを書いて、送信することで文章が帰ってきます。

興味深い技術ではありますが、頼りすぎるのも危険です。
詳しい使い方や注意点は、あとでAI倫理のところで説明します。

翻訳サイト

外国語を日本語に、日本語に外国語に翻訳してくれるサイトがあります。
この分野は最近進歩が著しく、論文や新聞のニュースのような論理的な文章の場合、かなりうまく訳せるようになってきています。
ただ、文学的な文章についてはまだ不十分なところがあります。

以下は DeepLというサイトです


たとえば以下のシャーロック・ホームズの英文を機械翻訳させると、

Holmes had been seated for some hours in silence with his long, thin back curved over a chemical vessel in which he was brewing a particularly malodorous product. His head was sunk upon his breast, and he looked from my point of view like a strange, lank bird, with dull gray plumage and a black top-knot.
"So, Watson," said he, suddenly, "you do not propose to invest in South African securities?"
I gave a start of astonishment. Accustomed as I was to Holmes's curious faculties, this sudden intrusion into my most intimate thoughts was utterly inexplicable.
"How on earth do you know that?" I asked.


以前、以下のような日本語として意味不明はものが帰ってきました。

ホームズは、彼が特に悪臭のある製品を醸造していた化学の容器の上に曲げられた彼の長く、薄い後ろを持つ沈黙の数時間の間座っていた。彼の頭は彼の胸に沈められて、彼は、意外で、やせている鳥のように鈍い灰色の羽毛および黒いトップ結び目で私の観点から見た。
「従ってワトソン」は突然言った 彼 「あなたは、南アフリカの証券に投資することを提案しないか?」 。 私は驚きの開始を与えた。私がホームズの物好きな能力にであったので、慣れているので、私の最も詳細な考えへのこの突然の侵入がまったく不可解であった。
「あなたは一体どのようにそれを知っているか?」私は尋ねた。


Deeplは以下のような結果を返してきます。

ホームズは何時間も黙って座ったまま、細くて長い背中を化学容器の上に曲げて、特に悪臭を放つ製品を醸造していた。彼の頭は胸に沈み、私から見ると、くすんだ灰色の羽に黒い髷を結った奇妙な鳥のように見えた。
"それで、ワトソンさん、あなたは南アフリカの証券に投資するつもりはないのですか? 私は思わず驚いた。ホームズの好奇心旺盛な性格には慣れていたが、私の最も親密な考えに突然侵入してきたことは、まったく不可解だった。
"いったいどうやって知ったのですか?と私は尋ねた。
だいぶいいですね。日本語になっています。
ただ、most intimate thoughts は 最も親密な考え ではなく 心の最も奥底の考え の方がいいでしょう。

日本語英訳に関しては、たとえばこんなサイトの方を使うという方法もあります。
これはアルクの「英次郎 on the WEB Pro」ですが、多数の英文の例文が載っています。(無料ですが、登録が必要。登録しない場合は、単語の対応のみで例文が出ません。)
たとえば「私は料理が得意です」という日本語を英訳したいとすると、検索欄に 「料理 得意」と打つと、“料理 得意”を含む例文が多数表示されますが、その中に、「私は料理が得意です。I'm a good cook.」という例文が見つかります。それ以外にもいろいろな例文があるので、 参考にすると良いでしょう。「スノーボード 得意」などでは残念ながらヒットしないが、「スノーボード」の部分を別の単語に変えてみるなど工夫すれば書きたい英文が見つかる。

計算ツール

計算をしてくれるサイトもあります。
たとえばGoogleは検索欄に検索キーワードではなく式を入力することで計算をしてくれる機能があります。
ただし、キーボードに×(かける)や÷がないので、式の入力は×の代わりに*を、÷の代わりに/を使う必要があります。ほかにもいくつかGoogle流の書き方をする必要がありますが、Googleのサイトは四則演算だけでなく関数電卓として使えます。

また、三角関数の角度はラジアン単位で与えます。

さらに複雑な計算をしてくれる
Wolfram(ウルフラム(英語読み) または ヴォルフラム(ドイツ語読み))があります。
少し使い方を勉強する必要がありますが、微分や積分などもやってくれます。

微分

積分

数値計算ではなく、数式に文字を含んでいても計算してくれます。

地図

GoogleやYahooは地図のサービスもしてくれます。

Googleの地図はストリートビューという機能も持っています。地図を出して、人をマウスでドラッグして地図の道の上に置くと、そこの景色が見えます。
マウスを使って向きを変えたり、道沿いに進むこともできます。

ルート乗換案内を使うと、道順を教えてもらえます。出発時間や到着時間などを指定すれば何時に電車に乗ればいいかも教えてもらえます。

英語リスニング

Youtubeは動画サイトであるが、外国の作品もたくさん見ることができます。生きた英語の勉強になります。これは繰り返し聴けるのでリスニングの勉強にいいでしょう。
ただ、素人の砕けた英語も多いので、なかなか難易度が高いものもあります。

イギリスの放送局BBCのラジオを聴くことができます。こちらは繰り返し聞けないがアナウンサーのきれいな英語が聞けます。このようにリスニングの練習はラジオのサイトの方がいいかもしれません。

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