情報社会のシステム 練習問題の答 ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- (注意) ・以下の内容に関して、間違い、疑問、不明な点、その他確認したい事柄は、 any @ isc.chubu.ac.jp まで電子メールで連絡するか、 著者本人に直接面会して確認して下さい。 ・対数の底は 2 を用いる。対数の値は以下を使用する。 log3 = 1.585, log5 = 2.322, log7 = 2.807, log11 = 3.459, log13 = 3.700 ・a の b 乗を a^b と表す。 ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- (1 週目) 1.1 世界でインターネットを使っている人は11億5千万人(2006年)、24億2千万人(2011年) 1.2 世界のインターネットの人口普及率は加入契約数ベースで 6.2% (2009年) 1.3 世界の人口当たりブロードバンド普及率の1位はオランダで38.1%、日本は18位で26.9% 1.4 国内のインターネット利用者数および人口普及率は、平成17年は8529万人で70.8%、 平成22年は9462万人で78.2% 1.5 国内のインターネット利用状況、世代別では 20代が 97.4% で最も多い。 1.6 インターネット利用端末の種類、PCからは 8706万人で 92.0%、モバイル端末からは 7878万人で 83.3%、併用が 6495万人で 68.6% 1.7 国内のブロードバンドの契約数は3,459万件(平成22年)、FTTHが1,977万件 1.8 インターネット利用の目的、PCでは電子メールが55.6%、政府/企業のページ閲覧46.5%、 商品/サービスの購入44.3% 1.9 インターネット利用の目的、携帯電話では電子メールが52.8%、商品/サービスの購入27.4%、 デジタルコンテンツの入手26.1% 1.10 平成22年、パソコン又は携帯電話(PHS/PDAを含む)からデジタルコンテンツを買ったこと がある人 33.5% 1.11 インターネット利用に伴う被害経験、PCでは迷惑メール34.0%、コンピュータウイルス 発見19.1%、感染9.9%、架空請求5.0%、携帯電話では迷惑メール29.7%、架空請求10.1%、 コンピュータウイルス発見1.4% 1.12 1日に10通以上迷惑メールを受けとっている人、PCでは25.8%、携帯電話では19.2% 1.13 携帯電話を使っている人、平成17年9179万人、平成22年11953万人、その中で第3世代携帯電話 は11815万人 1.14 電話による通信回数、固定電話は平成16年730億回、平成21年531億回、携帯電話は平成16年 517億回、平成21年567億回 1.15 加入契約数、固定電話は平成17年5808万、平成22年3957万、携帯電話は平成17年9648万、 平成22年12329万、IP電話は平成17年1146万、平成22年2566万 1.16 公衆電話の台数、平成17年39.3万台、平成22年25.3万台 1.17 携帯電話でインターネットを使う人、平成17年57.0%、平成22年59.9% 1.18 平成22年、携帯インターネットの利用状況、世代別では 20歳代が 89.9% 1.19 平成22年、インターネットによるデジタルコンテンツの携帯電話(PHS・PDAを含む)からの 購入経験、15歳から19歳が 30.2% で最も多い。 1.20 携帯電話と固定電話の料金比較、固定電話は平成17年39282円、平成22年30853円、 携帯電話は平成17年66909円、平成22年79918円 1.21 平成22年、世界の携帯電話の料金比較、一般ユーザは東京4117円、ニューヨーク4367円、 パリ3128円、ロンドン3774円、ソウル1969円、ヘビーユーザは東京11011円、ニューヨーク6823円、 パリ5824円、ロンドン4484円、ソウル4700円 1.22 平成22年、ワンセグ放送対応携帯電話の保有状況 43.0% 1.23 スマートフォンは2009年から2011年で、世界で2.7倍、アジア太平洋では4.2倍に市場が拡大した。 1.24 世界のICT市場は、年平均成長5.4%、特にアジア・太平洋地域は7.2%、日本は2.5% 1.25 世界の携帯電話人口、2000年の 7.2億人から2010年に 53.6億人まで増加 1.26 世界のインターネット人口、2000年の 3.9億人から2010年の 20.3億人まで増加 1.27 何故ユーザーはスマートフォンを選択したか? PCとほぼ同等のウェブ閲覧機能等が重要な 動機、そのほか無料コンテンツ・アプリや端末デザインなど、全体としてユーザーメリット が大と考えている。 1.28 Twitterのユーザ数1億4000万人、1日のツイート数は3億4000万件、Facebookのユーザ数は 約8.5億人(2012年4月) 出典 : 総務省 情報通信白書平成 24 年版, http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- (2 週目) 1.1 情報量が多いのはどちらか。「犬が人に噛みついた。」、「人が犬に噛みついた。」 「人が犬に噛みついた。」 1.2 情報量が多いのはどちらか。「ワールドカップでブラジルが優勝した。」、「ワールド カップで日本が優勝した。」 「ワールドカップで日本が優勝した。」 1.3 情報量の計算の仕方を簡単に説明しなさい。 事象が起こる確率を p として、1/p について 2 を底とした対数を計算する。log(1/p) 1.4 情報量が多い情報と少ない情報の例を考えてみなさい。 「沖縄に雪が降る」は情報量が多い、「北海道に雪が降る」は情報量が少ない。 「夏に雪が降る」は情報量が多い、「冬に雪が降る」は情報量が少ない。 など 1.5 事象が起こる確率の大小と情報量の関係を簡単に説明しなさい。 事象が起こる確率が高い場合は情報量は少ない。 事象が起こる確率が低い場合は情報量は多い。 1.6 情報量を求める際の対数の底は何か。その場合の情報量の単位は何か。 2, bit 1.7 log10 を求めなさい。 log2 + log5 = 1 + 2.322 = 3.322 1.8 「明日雨が降る確率は 20% である。」という情報の情報量を求めなさい。 log(1/0.2) = log5 = 2.322 bit 1.9 「明日雪が降る確率は 30% である。」という情報の情報量を求めなさい。 log(1/0.3) = log10 - log3 = 3.322 - 1.585 = 1.737 bit 1.10 平均情報量の計算の仕方を簡単に説明しなさい。 各事象の情報量にその事象が起こる確率をかけて、全事象分の合計を求める。 2.2 個々の事象が起こる確率と平均情報量の関係を簡単に説明しなさい。 個々の事象が起こる確率が高いものと低いものが混在している場合は 平均情報量は少なく、 個々の事象が起こる確率が同程度に近くなると平均情報量は多くなる。 2.3 「明日晴れる確率は 70% である。」という情報の情報量を求めなさい。 log(1/0.7) = log10 - log7 = 3.322 - 2.807 = 0.515 bit 2.4 log(7/3) を求めなさい。 log(7/3) = log7 - log3 = 2.807 - 1.585 = 1.222 bit 2.5 「晴れが 50%, 曇りが 30%, 雨が 20%」という系の平均情報量を求めなさい。 0.5 * log(1/0.5) + 0.3 * log(1/0.3) + 0.2 * log(1/0.2) = 0.5 * 1 + 0.3 * 1.737 + 0.2 * 2.322 = 0.5 + 0.521 + 0.464 = 1.485 bit 2.6 2事象のエントロピー関数のグラフから確率が 10% と 90% の場合の 平均情報量を読みとりなさい。 およそ 0.4 ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- (3 週目) 1.1 「明日晴れる確率は 70% である。」という情報の情報量を求めなさい。 log(1/0.7) = log10 - log7 = 3.322 - 2.807 = 0.515 bit 1.2 「晴れが 50%, 曇りが 30%, 雨が 20%」という事象系の平均情報量を求めなさい。 0.5 * log(1/0.5) + 0.3 * log(1/0.3) + 0.2 * log(1/0.2) = 0.5 * 1 + 0.3 * 1.737 + 0.2 * 2.322 = 0.5 + 0.521 + 0.464 = 1.485 bit 1.3 「晴れが 33.3%, 曇りが 33.3%, 雨が 33.3%」という事象系の平均情報量を求めなさい。 0.333 * log(1/0.333) * 3 = log3 = 1.585 bit 1.4 2事象のエントロピー関数のグラフから確率 P が 10% と 20% の場合の 平均情報量を読みとりなさい。 10% の場合およそ 0.4 、20% の場合およそ 0.7 1.5 サイコロを 1 個振った時に出る目の事象系 A を確率とともに記述しなさい。 A = (1, 2, 3, 4, 5, 6 ) (1/6, 1/6, 1/6, 1/6, 1/6, 1/6) 1.6 事象系 A のエントロピーを求めなさい。 1/6 * log(1/(1/6)) * 6 = log6 = log2 + log3 = 1 + 1.585 = 2.585 bit 1.7 サイコロを 1 個振った時に出る目が 4 以上であるかないかを表す事象系 B を 確率とともに記述しなさい。 B = (b1:4 以上である, b2:4 以上でない) (1/2, 1/2 ) 1.8 事象系 B のエントロピーを求めなさい。 1/2 * log(1/(1/2)) * 2 = log2 = 1 bit 1.9 サイコロを 1 個振った時に出る目が 6 であるかないかを表す事象系 C を確率と ともに記述しなさい。 C = (c1:6 である, c2:6 でない) (1/6, 5/6 ) 2.2 事象系 C のエントロピーを求めなさい。 1/6 * log(1/(1/6)) + 5/6 * log(1/(5/6)) = 1/6 * log6 + 5/6 * log(6/5) = 1/6 * 2.585 + 5/6 * (2.585 - 2.322) = 0.431 + 0.219 = 0.65 2.3 事象系 A, B について条件付エントロピー H(A|B) を求めなさい。 H(A|b1) = 0 * log1/0 + 0 * log1/0 + 0 * log1/0 + 1/3 * log(1/(1/3)) + 1/3 * log(1/(1/3)) + 1/3 * log(1/(1/3)) = 1/3 * log3 * 3 = 1.585 H(A|b2) = 1/3 * log(1/(1/3)) + 1/3 * log(1/(1/3)) + 1/3 * log(1/(1/3)) + 0 * log1/0 + 0 * log1/0 + 0 * log1/0 = 1/3 * log3 * 3 = 1.585 H(A|B) = 1.585 * 1/2 + 1.585 * 1/2 = 1.585 bit 2.4 事象系 A, C について条件付エントロピー H(A|C) を求めなさい。 H(A|c1) = 0 * log1/0 * 5 + 1 * log1/1 = 0 H(A|c2) = 1/5 * log(1/(1/5)) * 5 + 0 * log1/0 = log5 = 2.322 H(A|B) = 0 * 1/6 + 2.322 * 5/6 = 1.935 bit 2.5 事象系 A, B について結合エントロピー H(A,B) を求めなさい。 0 * log1/0 * 3 + 1/6 * log(1/(1/6)) * 3 + 1/6 * log(1/(1/6)) * 3 + 0 * log1/0 * 3 = log6 = 2.585 bit 2.6 ジョーカーを除く 52 枚のトランプから 1 枚カードを引く時に、1, 2, 3, ..., J, Q, K の各数が出ることを表す事象系 D を確率とともに記述しなさい。 D = (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, J, Q, K ) (1/13, 1/13, 1/13, 1/13, 1/13, 1/13, 1/13, 1/13, 1/13, 1/13, 1/13, 1/13, 1/13) 2.7 事象系 D のエントロピーを求めなさい。 1/13 * log(1/(1/13)) * 13 = log13 = 3.700 bit 2.8 ジョーカーを除く 52 枚のトランプから 1 枚カードを引く時に、スペード が出るか出ないかを表す事象系 E を確率とともに記述しなさい。 E = (e1:スペードが出る, e2:スペードが出ない) (1/4, 3/4 ) 2.9 ジョーカーを除く 52 枚のトランプから 1 枚カードを引く時に、J, Q, K の どれかが出るか出ないかを表す事象系 F を確率とともに記述しなさい。 F = (f1:J, Q, K のどれかが出る, f2:J, Q, K のどれかが出ない) (3/13, 10/13 ) 2.10 事象系 E, F について条件付エントロピー H(F|E) を求めなさい。 H(F|e1) = 3/13 * log(1/(3/13)) + 10/13 * log(1/(10/13)) = 3/13 * (3.700 - 1.585) + 10/13 * (3.700 - 1 - 2.322) = 0.488 + 0.291 = 0.779 H(F|e2) = 3/13 * log(1/(3/13)) + 10/13 * log(1/(10/13)) = 3/13 * (3.700 - 1.585) + 10/13 * (3.700 - 1 - 2.322) = 0.488 + 0.291 = 0.779 H(F|E) = 0.779 * 1/4 + 0.779 * 3/4 = 0.779 bit 2.11 事象系 E, F について結合エントロピー H(F,E) を求めなさい。 3/52 * log(1/(3/52)) + 10/52 * log(1/(10/52)) + 9/52 * log(1/(9/52)) + 30/52 * log(1/(30/52)) = 3/52 * (5.700 - 1.585) + 10/52 * (5.700 - 1 - 2.322) + 9/52 * (5.700 - 1.585 - 1.585) + 30/52 * (5.700 - 1.585 - 1 - 2.322) = 0.237 + 0.457 + 0.438 + 0.456 = 1.588 bit ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- (4 週目) 1.1 情報源とは何か、簡単に説明しなさい。 記号や文字をある確率に基づいて生成するところ。 1.2 情報源記号とは何か、簡単に説明しなさい。 情報源アルファベットに含まれる個々の記号、情報源で生成される。 1.3 情報源アルファベットとは何か、簡単に説明しなさい。 情報源で生成される情報源記号の集合。 1.4 情報源は生成する情報の違いから 2 種類に分けることができるが何と何か。 独立情報源とマルコフ情報源 1.5 独立情報源にはどんな性質があるか。 情報源記号は過去に生成された記号に関係なく、毎回独立に生成される。 1.6 マルコフ情報源にはどんな性質があるか。 過去に生成された記号に依存して、または影響を受けて次の記号が生成される。 1.7 単位時間あたりの発生エントロピーはどのように求めるか。 情報源の発生エントロピーと単位時間あたりの記号の生成個数との積を計算する。 1.8 状態遷移行列とは何を表しているか。 ある記号の次に各記号が生成される確率を行列の形式で書き並べたもの。 1.9 5個の記号 S = {a, b, c, d, e を等確率で生成する独立情報源の 確率事象系を示しなさい。 A = (a, b, c, d, e ) (0.2 0.2 0.2 0.2 0.2) 1.10 上記の独立情報源の発生エントロピーを求めなさい。 0.2 * log(1/0.2) * 5 = log5 = 2.322 bit 2.2 上記の独立情報源が、10個 / sec で記号を生成する場合の時間あたりの 発生エントロピーを求めなさい。 2.322 * 10/sec = 23.22bit/sec 2.3 5個の記号 S = {a, b, c, d, e} を等確率で生成するマルコフ情報源の 状態遷移行列を示しなさい。 (0.2 0.2 0.2 0.2 0.2) (0.2 0.2 0.2 0.2 0.2) (0.2 0.2 0.2 0.2 0.2) (0.2 0.2 0.2 0.2 0.2) (0.2 0.2 0.2 0.2 0.2) 2.4 独立情報源の性質 P(sl|sk) = P(sl) の表す内容を説明しなさい。 独立情報源は、次に生成される記号が過去に生成された記号に影響を 受けないので、sk の次に sl が生成される条件付確率と、単に sl が 生成される確率が一致する。これは直前の記号 sk が何であっても 次に sl が生成される確率が一定で変化しないことを表す。 2.5 マルコフ情報源の性質 P(sl|sk) \= P(sl) の表す内容を説明しなさい。 マルコフ情報源は、次に生成される記号が過去に生成された記号に影響を 受けるので、sk の次に sl が生成される条件付確率と、単に sl が 生成される確率が一致しない。すなわち直前の記号 sk によって 次の記号 sl が生成される確率が変化する。 2.6 4個の記号 S = {a, b, c, d} を生成する独立情報源の確率事象系が下記の S1 の場合に、4文字でもっとも生成される確率が高い通報を示しなさい。 dddd 2.7 4個の記号 S = {a, b, c, d} を生成するマルコフ情報源の状態遷移行列が下記の P1 の場合に、4文字でもっとも生成される確率が高い通報を示しなさい。 最初の文字は b とする。 bbbb 2.8 4個の記号 S = {a, b, c, d} を生成するマルコフ情報源の状態遷移行列が下記の P2 の場合に、4文字でもっとも生成される確率が高い通報を示しなさい。 最初の文字は b とする。 bcda 2.9 日本語の文章を m 重マルコフ情報源から生成される通報と考えて、以下の 記号列に続く記号列を考えなさい。「昨日の天気は晴れで□」 す、し(た)、ね、ん(なあ)、などが考えられる。 2.10 前問と同様に、以下の記号列に続く記号□を考えなさい。「昨日の天気□」 は、が、に、を、などが考えられる。 S1 = (a, b, c, d ) (0.2, 0.2, 0.1, 0.5) P1 = (0.5 0.2 0.2 0.1) (0.2 0.5 0.2 0.1) (0.2 0.2 0.5 0.1) (0.2 0.2 0.1 0.5) P2 = (0.2 0.5 0.2 0.1) (0.2 0.2 0.5 0.1) (0.2 0.2 0.1 0.5) (0.5 0.2 0.1 0.2) ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- (5 週目) 1.1 正規マルコフ情報源が持つ性質を説明しなさい。 すべての記号が生成される、周期性がない、初期状態に依存しない、など。 1.2 正規マルコフ情報源の極限分布とは何か。 非常に長い時間が経過した後の各記号の発生確率 1.3 極限分布は状態遷移行列 P からどのように計算できるか。 P の無限大乗, P^∞ 1.4 正規マルコフ情報源の状態遷移行列 P はどのような特徴があるか。 ある時刻 t における発生確率の行列 P^t においてすべての要素が 0 でなくなる。 1.5 状態遷移行列 P を用いて正規マルコフ情報源であるかどのように調べるか。 P^1, P^2, P^3, ... と順に求めていって、すべての要素が 0 でなくなるか。 1.6 状態遷移行列が下記 P1 の場合、正規マルコフ情報源か調べなさい。 すべての要素が 0 でないので正規マルコフ情報源である。 1.7 S1, P1 で定義される情報源で、現在の記号が a の場合、2 秒後に a が生成 される確率を求めなさい。 P1 の 2 乗を求める (0.5 0.5 )(0.5 0.5 ) = (0.375 0.625 ) (0.25 0.75)(0.25 0.75) (0.3125 0.6875) よって 0.375 1.8 S1, P1 で定義される情報源で、現在の記号が b の場合、3 秒後に b が生成 される確率を求めなさい。 P1 の 3 乗を求める (0.5 0.5 )(0.5 0.5 )(0.5 0.5 ) = (・ ・ ) (0.25 0.75)(0.25 0.75)(0.25 0.75) (・ 0.671875) よって 0.671875 1.9 状態遷移行列が下記 P2 の場合、正規マルコフ情報源か調べなさい。 (x 0)(x 0) = (x 0) (x x)(x x) (x x) 2 乗して同じ形になったので、この後無限に続くことになる。 よって正規マルコフ情報源ではない。 2.2 S1, P2 で定義される情報源で、現在の記号が a の場合、2 秒後に a が生成 される確率を求めなさい。 P2 の 2 乗を求める (1 0 )(1 0 ) = (1 ・) (0.5 0.5)(0.5 0.5) (・ ・) よって 1 2.3 状態遷移行列が下記 P3 の場合、正規マルコフ情報源か調べなさい。 2 乗 (x x 0)(x x 0) (x x x) (x x x)(x x x) = (x x x) (x x 0)(x x x) (x x x) よって正規マルコフ情報源である。 2.4 S2, P3 で定義される情報源の定常分布を求めなさい。 (x y z) = (x y z)(0.5 0.5 0 ) (0.25 0.25 0.5) (0.5 0.5 0 ) これから次の連立方程式が得られる。 x = 0.5x + 0.25y + 0.5z y = 0.5x + 0.25y + 0.5z z = 0.5y x + y + z = 1 4x = 2x + y + 2z 4y = 2x + y + 2z 2z = y x + y + z = 1 これを解くと x = 0.4, y = 0.4, z = 0.2 となり、定常分布は (0.4 0.4 0.2) 2.5 S1, P1 で定義される情報源の発生エントロピーを求めなさい。 定常分布を求めると (1/3 2/3) となる(2.7 を参照)。 0.5 * 1/3 * log(1/0.5 ) + 0.5 * 1/3 * log(1/0.5 ) + 0.25 * 2/3 * log(1/0.25) + 0.75 * 2/3 * log(1/0.75) = 0.5 * 1/3 * 1 + 0.5 * 1/3 * 1 + 0.25 * 2/3 * 2 + 0.75 * 2/3 * (2 - 1.585) = 1/3 + 1/3 + 0.2075 = 0.874 bit 2.6 P2 の 2 乗、3 乗、4 乗を求めなさい。P2^∞ を推定しなさい。 2 乗 (1 0 )(1 0 ) = (1 0 ) (0.5 0.5)(0.5 0.5) (0.75 0.25) 3 乗 (1 0 )(1 0 )(1 0 ) = (1 0 ) (0.5 0.5)(0.5 0.5)(0.5 0.5) (0.875 0.125) 4 乗 (1 0 )(1 0 )(1 0 )(1 0 ) = (1 0 ) (0.5 0.5)(0.5 0.5)(0.5 0.5)(0.5 0.5) (0.9375 0.0625) よって P2^∞ は (1 0) に収束すると推定できる。 (1 0) 2.7 S1, P1 で定義される情報源の定常分布を求めなさい。 (x y) = (x y)(0.5 0.5 ) (0.25 0.75) これから次の連立方程式が得られる。 x = x/2 + y/4 y = x/2 + 3y/4 x + y = 1 4x = 2x + y 4y = 2x + 3y x + y = 1 これを解くと x = 1/3, y = 2/3 となり、定常分布は (1/3 2/3) 2.8 状態遷移行列が下記 P4 の場合、正規マルコフ情報源か調べなさい。 2 乗 (x x x)(x x x) (x x x) (x 0 0)(x 0 0) = (x x x) (0 x 0)(0 x 0) (x 0 0) 3 乗 (x x x)(x x x) (x x x) (x x x)(x 0 0) = (x x x) (x 0 0)(0 x 0) (x x x) よって正規マルコフ情報源である。 2.9 P4 の 2 乗、3 乗、4 乗を求めなさい。 2 乗 (0.5 0.25 0.25)(0.5 0.25 0.25) (0.5 0.375 0.125) (1 0 0 )(1 0 0 ) = (0.5 0.25 0.25 ) (0 1 0 )(0 1 0 ) (1 0 0 ) 3 乗 (0.5 0.25 0.25)(0.5 0.25 0.25)(0.5 0.25 0.25) (0.625 0.25 0.125) (1 0 0 )(1 0 0 )(1 0 0 ) = (0.5 0.375 0.125) (0 1 0 )(0 1 0 )(0 1 0 ) (0.5 0.25 0.25 ) 4 乗 (0.5 0.25 0.25)(0.5 0.25 0.25)(0.5 0.25 0.25)(0.5 0.25 0.25) (1 0 0 )(1 0 0 )(1 0 0 )(1 0 0 ) = (0 1 0 )(0 1 0 )(0 1 0 )(0 1 0 ) (0.5625 0.28125 0.15625) (0.625 0.25 0.125 ) (0.5 0.375 0.125 ) P1 = (0.5 0.5 ) (0.25 0.75) P2 = (1 0 ) (0.5 0.5) P3 = (0.5 0.5 0 ) (0.25 0.25 0.5) (0.5 0.5 0 ) P4 = (0.5 0.25 0.25) (1 0 0 ) (0 1 0 ) ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- ---------- (6 週目) 符号化、符号(語)とは何か簡単に説明しなさい。 平均符号長の求め方を説明しなさい。 符号(語)と符号を構成する記号の違いを説明しなさい。 復号化とはどのような処理を表すか。 一意に復号化できる、できないとはどういうことか。 特異符号、瞬時符号、非瞬時符号の違いを説明しなさい。 符号化方式が瞬時符号、非瞬時符号のどちらになるかは何で決まるか。 固定長符号と可変長符号の違いを説明しなさい。右ページ下の C1, C2, C3, C4 で固定長符号はどれか。 r 元符号とは何を表しているか。 右ページ下の C1, C2, C3, C4 はそれぞれ何元符号か。 下記の事象系 S に対して C1 の符号化を行なう場合の平均符号長を求めなさい。 下記の事象系 S に対して C2 の符号化を行なう場合の平均符号長を求めなさい。 下記の事象系 S に対して C3 の符号化を行なう場合の平均符号長を求めなさい。 下記の事象系 S に対して C4 の符号化を行なう場合の平均符号長を求めなさい。 C1 の符号化はクラス C11, C12, C21, C22 のどれに該当するか。 C2 の符号化はクラス C11, C12, C21, C22 のどれに該当するか。 C3 の符号化はクラス C11, C12, C21, C22 のどれに該当するか。 C4 の符号化はクラス C11, C12, C21, C22 のどれに該当するか。 特異符号でない固定長符号は常に瞬時符号となる。その理由を説明しなさい。 \begin{minipage{65mm \[ S = \left( \begin{array{cccc a,, b,, c,, d \\ 0.3,, 0.3,, 0.3,, 0.1 \\ \end{array \right) \] \end{minipage \begin{minipage{55mm $C1 = \{1, 11, 111, 1111 \$ \\ \\ $C2 = \{00, 01, 10, 11 \$ \end{minipage \begin{minipage{60mm $C3 = \{0, 1, 2, 3 \$ \\ \\ $C4 = \{0, 10, 110, 111 \$ \end{minipage